生簀の恋は青い空を知っているか。
反対に浅黄さんの機嫌は最初から良いらしく、わたしはどう対処して良いのか分からない。
「あ、そうだ。来週末、パーティーがある」
浅黄さんがラグの上に座り直す。何か嫌な予感がする。
「……行ってらっしゃい」
「パートナー同伴で」
嫌な予感が当たった。
わたしの分かりやすかっただろう表情の変化に呆れた顔をする。
「大人だろうが。そこは割り切れ」
「……わたし、初対面の人と話すの苦手なんです」
「知ってる。俺も苦手だ」
「じゃあ止めましょうよ……」
そもそも私はパーティーにお呼ばれされることは殆どなかった。そういう社交の場で上手く立ち回れる自信もない。