生簀の恋は青い空を知っているか。

深夜に洗濯機の不必要さを論議するとは思わなかった。コーヒーの有無はあんなに素っ気なく返すのに、よく分からない。

「じゃあ、おやすみなさい」

メイクも落としたし、もう洗面所で話し合いは終わりだ。浅黄さんも、わたしがベッドにいたことに関して何も言ってこないし。

その横を通り抜けようとしたら、腕を掴まれた。

何か、と声を出す前に引っ張られる。わたしの部屋とは反対側の扉が開かれ、そこへまた戻る。
確かに、浅黄さんの部屋には洗濯機はなかった。

「ここで寝ろ」
「え、どうして」
「いちいち部屋に戻すのが面倒くさい」

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