Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
数人はバテて始めてるところを見ると、こんな状態になって5分位は経ってるんだろう。


宮瀬は体力も底なしのようだ。


「もう一度聞く。エスカレーターから沙耶を突き落としたクズはどこの誰だ」


このヤンキーたちが疾風の下っ端だろう。


この中に沙耶を突き落とした奴がいるんだ。


その時、一人の男の表情がかすかに引きつるのが見えた。


「……見つけた。お前か」


宮瀬はそう言ったかと思うと、反撃を開始した。


しかし、宮瀬が反撃するのは、突き落とした奴ではない残りの連中ばかり。


〝見つけた〟と言った相手には一ミリも触れない。


どういうことなのか。


考える間もなく、宮瀬はたった一人を残して他はすべて気絶させていた。


あり得ないスピードと技術を目の前にした犯人は、持っていた鉄パイプを落とし、分かりやすく腰を抜かした。
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