Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
きっと、どっちを選んでもそれなりに後悔する。


でも、殺されると分かっていながらナオを見捨てる方が後悔は大きいだろう。


「ふぅ…」


小さくため息を吐き出し、震える指で送信ボタンを押す─。


メッセージが送信された。


もう後には引けない。


戻れない。


大きな大きな分かれ道で、勇気を出して選択した道。


それがどんな道かは分からない。


良い道なのか、悪い道なのか。


危険な道なのか、安全な道なのか。


これで良かったのかなんて分かるわけない。


だからなるべく後悔しないように歩んでいかなければならない。


あたしは、ナオを助ける。


自分が死んでもいい。


助けたい…。


殺されてほしくない…。


そう思う反面、なぜか宮瀬の顔がちらつくんだ。
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