Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
貫田さんの本性はこんなクズ男だったんだ。


騙されていたことが悔しくてたまらない。


不甲斐ない自分に腹が立つ。


「全部安藤から聞いたよ。彼氏の名前、貫田奈生だっけ」


……。


「…ぇ…?」


貫田…なお…?


「…どういう…意味…。何…言ってんの…」


頭をガツンと鈍器で殴られたような衝撃を感じ、目の前が真っ暗になり目眩がしてくる。


キーンと耳鳴りもし、立ってるのがツラくなってくる。


だけど膝をつくことも倒れることもできなくて、ただ吐き気が込み上げてくる。


「お前はずっと彼氏の父親に抱かれてたってことになるな」


…ナオの父親に…っ。


ナオが恨んでいた父親に、ずっと抱かれていた…?
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