Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
「俺はすぐに持っていたナイフ、拳銃、すべて地面に置いた。俺は完全に丸腰だった。だけどアイツは…っ」


「貫田さん……」


無理に話さなくてもいい…。


やっぱり聞かなければよかった。


こんなの…聞くだけで心が痛い…。


「〝残念だけど、このガキは返せない〟〝将来俺の脅威になるから〟って意味の分からない論理組み立てて、引き金をひいた…」


「……っ」


そんな…。


「許せない…っ…」


何の罪もないのに…。


娘さんは何も悪くないのに…。


「〝邪魔者は徹底的に消す主義なんでね〟ヤツはそう言って娘の亡骸を無惨に捨て、去っていった」


あの残酷で冷たい眼光を思いだし、身震いしてしまう。


宮瀬は中1の頃からすでに人を殺していた。


あの異様な佇まいはそういう経験のせいだろ。
< 44 / 406 >

この作品をシェア

pagetop