Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で
安全?


安全なことがあるもんか。


この男は何の罪もない幼い子の命を奪ってる。


そんな奴と一緒に住むなんて…。


と考えたところで思考は一変する。


逆にチャンスなんじゃないか、と。


四六時中ターゲットを狙えることになる。


そうなれば殺れる可能性だって増していく。


ナオと離れるのは嫌だし、完全に対立関係という構図にはめられるのは苦しいけど、でも─。


「この家は至るところに監視カメラがあるし、何か異変を察ししたらすぐに〝警備員〟が駆けつけてくれるし」


…警備員か。


ただの警備員じゃないことは明らか。


さっきの迫田という男のような奴らが来るんだろう。


琴吹組は大きな権力を持ってる組だし、それくらい当たり前だけど。
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