同じ人を好きになるなんて
「ちょっとまゆり。どうして綱島様が隣だったのにあんなあからさまに嫌そうな顔をするの?」

友人の一人が追いかけてきた。

「あの人の隣にいるだけで私だけが悪者扱いされるなんてまっぴらよ」

だんだんむかついてきて早歩きになる。

「わからないわけじゃないけど仕方がないじゃない。これはイケメンの彼女になった宿命?」

冗談を言っているのだろうが全く面白くない。

「いや、彼女じゃないし!向こうが勝手に隣に座っただけ」

すると友人が私の肩を叩いた。

「ね〜、そんなこと言ってるけど後ろ見て?綱島様こっち見てるよ」

「え?」

振り返ると思い切り目があって、手まで振っている。
全く意味がわからない。

「行こ」

私は彼を無視するかのように食堂を後にした。

だが、この日を境に学食に行くと彼は必ずといっていいほど私の隣に座るようになった。
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