同じ人を好きになるなんて
「ところで、さっきの話に戻すんだけど、新しい就職先の目星はついてるの?」

「え?」

「だから、次の就職先」

今日倒産して職をなくしたのにすぐ次が見つかりゃこんな苦労はしていない。

と言ってもそんなこと陸斗は知らないし、元彼には関係のないことだ。

「まだですが」

すると陸斗は姿勢を正し私を見た。

こんな時になんだけどやっぱり陸斗はかっこいい。って元彼にドキドキしてどうするの?

「じゃあさ〜ハウスキーパーやらない?」

「え?ハ、ハウス……キーパー?」

「家政婦って言えばわかるかな?」

これには驚いた。いや、なんで家政婦なの?

「家政婦って……家事全般やってお金もらう……あれ?」

「そう」

陸斗は大きく頷いた。

「でもその家政婦って……私そんなことやったことないし、ど素人よ」

はっきりいてやる気なんて全くないけど一応聞いてみた。

「ん?資格なんていらないよ。だってお願いするのは俺の家だから」

「え?」
< 37 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop