同じ人を好きになるなんて
私はアパートの駐車場に停めてあった陸斗の車に乗った。
付き合っていた時に乗っていた軽自動車とは比べ物にならないほど大きな国産車。
革張りの椅子の座り心地のいいこと。
車が動き出すと、引っ越し業者のトラックも後ろについてきた。
「ところで冷蔵庫やレンジ、洗濯機はうちにあるものを使うからとりあえず物置に入れておくけどいい?」
実は私、陸斗の住んでいる家がどこなのか全く知らないのだ。
だからてっきりマンションかと思い込んでいたのだが物置というぐらいなのだから
恐らく一軒家なのだろう。
「はい」
「今日は引っ越しで忙しそうだから……仕事は明日からってことでよろしく頼むよ」
「はい」
「あのさ〜」
信号が赤になり車が止まると陸斗が少しイラついた様子でこっちを見た。
「あのさ〜さっきから……いや再会したときからずっと思ってた。なんで他人ヅラするんだ。
知らない間柄じゃないだろ?」
知りすぎてるからこそじゃない。
単なる友人ならもっとフランクに話せたかもしれない。
だけどかつては好きだった人。未練がなくても普通はやりにくいでしょ?
「もし、綱島さんが敬語を使うなっていうのであれば指示通りにしますが……」
陸斗は目を丸くし、呆れ顔で大きなため息を吐いた。
付き合っていた時に乗っていた軽自動車とは比べ物にならないほど大きな国産車。
革張りの椅子の座り心地のいいこと。
車が動き出すと、引っ越し業者のトラックも後ろについてきた。
「ところで冷蔵庫やレンジ、洗濯機はうちにあるものを使うからとりあえず物置に入れておくけどいい?」
実は私、陸斗の住んでいる家がどこなのか全く知らないのだ。
だからてっきりマンションかと思い込んでいたのだが物置というぐらいなのだから
恐らく一軒家なのだろう。
「はい」
「今日は引っ越しで忙しそうだから……仕事は明日からってことでよろしく頼むよ」
「はい」
「あのさ〜」
信号が赤になり車が止まると陸斗が少しイラついた様子でこっちを見た。
「あのさ〜さっきから……いや再会したときからずっと思ってた。なんで他人ヅラするんだ。
知らない間柄じゃないだろ?」
知りすぎてるからこそじゃない。
単なる友人ならもっとフランクに話せたかもしれない。
だけどかつては好きだった人。未練がなくても普通はやりにくいでしょ?
「もし、綱島さんが敬語を使うなっていうのであれば指示通りにしますが……」
陸斗は目を丸くし、呆れ顔で大きなため息を吐いた。