同じ人を好きになるなんて
荷物も多くなかったため引っ越しも半日で終えた。
それらしくなった頃、陸斗が部屋をノックした。
「入っていい?」

「……はい」

「片付いた……みたいだな」

「一応ね。テレビの配線……ありがとう」

普段ならありがとうは言い慣れているのにこの人にだけはぎこちなくなってしまう。

高待遇に目がくらみつい引き受けてしまった家政婦だけどちゃんとできるのだろうか……

「ああ……それはそうと、悪いが付き合ってくれないか?」

「え?」

「いや、俺今日しか休みがないから理人の保育園の場所とか近所のスーパーの場所とかこれからの仕事に必要なことを説明したくてね」

やだ私ったら付き合ってほしいって言われて変に考えちゃっていた。

「わ、わかった。そ、そうよね。行きます」

「じゃあ……下で待ってる」

もう、私ったら何考えてんだか……私は今日からこの家の家政婦なんだから……
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