同じ人を好きになるなんて
そして初めて一緒にお風呂に入った私とりっくん。

最初は水てっぽうやおもちゃで遊んでいたが……。

「ねえ、まゆりお姉ちゃんは陸パパのこと好き?」

真顔で尋ねられた。

「え?」

まさか元彼だなんて言っても5歳のりっくんにはわかるはずもない。

それに好きか嫌いかと考えたこともない。

だって私たちはすでに終わっている。

「じゃあ〜りっくんは陸パパのこと好き?」

私は質問を質問で返してしまった。こんな大人気ないやり方は好きじゃないけど曖昧な返事はできなかったからだ。

「うん。大〜いすき。いつも僕のために一生懸命働いてくれるもん」

5歳なのに立派なことを言う子だ。

それにしても仕事をしながらこんな素直ないい子に育てた陸斗もすごいと思う。

私にはきっとできない。

っていうか結婚の予定もない私が子育てのことを考えるのがそもそもおかしな話なんだけどね。

するとりっくんが「あ!」と言って窓を指差した。

「どうしたの?」

「見て見て。まんまるお月様だよ」

「本当?」

窓から見える月を見るとりっくんのいう通り月のよく見える夜だった。

もしかして……今日は満月?
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