同じ人を好きになるなんて
すると入り口の方が急にざわつきはじめた。

だが、私たちは見向きもせず会話をしていた。

だっていつものことだし、見なくたってわかるんだもん。

入り口でざわついた原因は1つ上の綱島先輩が学食に入ってきたからだ。

綱島陸斗はみんなから綱島様と呼ばれている。

なぜ様付なのかというと学内一のイケメンだからだ。

シャープな輪郭に少し癖のある毛先はヘアースタイルに動きをつけてくれていた。

きりりとした眉にくっきり二重の鋭い目。眉と瞼が近いので外国人のようだ。

綺麗な鼻は横から見ると教科書に載っている有名な彫刻のようだ。

そして艶のある綺麗な形をしている唇。

彼は「かっこいい」って言葉以外見つからないぐらいパーフェクトと言われている。

でも正直私は興味がない。

だってこんなイケメンとお友達になれるわないかがないし、私は外見より中身重視なの。

だから入り口でざわついてても全く無関心だった。
< 9 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop