俺の、となりにいろ。

「あたし、桐谷課長が帰ってきたら、ご飯誘ってみようかな〜」
「ムリムリ。断られるわよ、きっと」
複数の女の子たちの笑い声と、
「誘ってみやきゃわからないでしょ」
と、ムッとした女の子の声が聞こえる。
すると、

「みんなで食事をしたい、と言えばOKしてくれるかもね」

と、聞き覚えのある声に、私はハッと息を飲んだ。

彼女たちが「仲本さん」と呼ぶ。
仲本桜子は個室の中の私にまで聞こえる声で言い出した。

「いっその事、ここにいる全員と桐谷くんでご飯に行きましょうよ」

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