俺の、となりにいろ。
「こんな所で何やってるんだ、咲?それに藤川課長たちも」
そこへひょっこり現れたのは、帰り支度を済ませた咲の恋人で、社内一イケメンの桐谷秀人だった。
事情を聞いた秀人は、咲に言った。
「そういえば、前に言ってたよな。「四階のトイレから変な声が聞こえたから五階のトイレを使っている」って」
咲は「うん」と、頷く。
秀人は応接室の隣のお手洗いへ目を向ける。
「あのトイレは、今は誰もいないよな?」
と言って、スタスタと女子トイレへはいっていく。
「えっ、あのっ」と、彼を止めることが出来ず、咲はトイレの前でオロオロし始めた。