俺の、となりにいろ。
「きゃっ…」
驚いた渚は、慌ててソファにある自分のブラウスで体を隠す。
応接室に現れたのは、広報課の主任、江川京子だった。
京子は渚の格好を見て、顔を顰めた。
「…一体、何をやってるの?北山さん、それは怪我じゃなくて化粧品よね?」
「え?」と見開く修二に、渚は痛がる素振りを見せることなく、急いで服を身につけていく。
「それ、怪我じゃないの?彼氏からの暴力って…」
と、少し混乱している修二に、京子は大きなため息を吐いた。
「あんなの、アイシャドウやチーク、口紅があれば誰でもできるのよ。こんな細工に騙されるなんて…」
「じゃあ、北山さんはどうして俺をここに呼んだの?」
「そんなの、決まってるじゃない」
困惑する修二に、京子はボブカットのマロン色の髪を掻きあげた。
「次のターゲットは、「あなた」だったからよ」
そう言って、彼女は渚を睨んだ。