ロマンスの王子様
「あーあ、気分が悪いったらありゃしない!」

朝食の後片づけが終わったら、とっとと仮眠しよう。

4時に芳樹さんと会う約束をしてるし、その前に洗濯物とお風呂掃除を片づけちゃいたいから…そうだな、2時まで寝るか。

そう思いながら食べ終わった食器を手に取ると、
「ご丁寧に、残さず食べてくれてる…」

空っぽになっている奥原さんの食器を見ながら、私は呟いた。

別に昼ご飯と称して食べるから残してくれても構わないのに。

と言うか、好きでもない…むしろ、嫌っている女のご飯だぜ?

そんな女が作ったご飯をよく食べれるなあ。

「まあ、いっか」

とっとと後片づけを済ませようっと。

フンフンと鼻歌を歌いながら、私は食器をシンクへと運んだ。
< 34 / 121 >

この作品をシェア

pagetop