Match maker
「あなたのお陰で、雅実の事を…再認識できました。素敵な人だと。比較対象の役割をして頂いて感謝しています、ありがとうございました、品田さん」



これは、あれだ。

ブーブーって警告音鳴るやつだ。



だけど、0は静かだった。



「ちょ、ちょっと顔がいいからって!」

品川さんはそう言って、プンプンしながら帰って言った。



「……礼のつもりが、怒らせてしまった…」

そう言った実雅さんに吹き出して



「……“品田”さんじゃなくて“品川”さんですよ」



「……あ…誰だったか思い出すのに必死で…」

まずいなって顔で彼が笑った。



「まぁ、いいか」

そう言った彼に



「ありがとう」

そう言うと



首を傾げていたけれど…



今日は、思い出しても腹が立つ事はなさそうだった。
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