Match maker
「今日も、人が多いなぁ、東京(ここ)は」



そうだな。

街を歩いてそう思ったっけ。



少子化なんて信じられないくらい。

人口が減ってるなんて。



それはここに集中しているだけの事なのだろうけれど…





この沢山の人の中から出会えた奇跡。



私と実雅さんの、出会いは…



0が無いと不可能だった。





「実雅さんの条件が、“誰でもいい”で良かったなぁ」



彼を見上げてそう言った。



「なぜ?」



「だから、出会えたのでしょう?」



「……うーん…“誰でも良くない”から“誰でも良い”にしたんだけどね」



相変わらず、意味が分からない。



「雅実は、顔だっけ?」



「……いや、で、だ、だって、格好いいんだもの!」



そう言った私に彼が



「この顔で良かった」

そう言って微笑んだ。
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