Match maker
家に帰って深呼吸を1つ。

「今日、ものすっごい、喋ってたね。あの人」

【どなたですか?】

「ちょっと、わざとでしょ?田中さん。今会ってた。」

【実雅の事ですか?】

ぶわっと頬が熱を持った。

【ただの、ファーストネームです。】

「ま、そ、そうだけど。」

24歳…それにも驚いた。

34歳くらいかと。

「私を気に入ったって事?」

【本人に聞いて下さい。】

「聞いて、これだわ。聞いても分からない。」

【ゼロから聞けば分かるのですか?言葉の羅列は同じです。】

「まぁ、そうだね。」

【あなたの条件通りの方です。】

「いや、性格に難が有りすぎ!」

【あなたには?】

「まぁ、そうだね。」

【目的は成婚。これは、恋愛をして、結婚するための場です。欠点を見つける場でも、争う場でもない。】

「まぁ、そうだね。」

【ご不満な点はどこですか?】

「彼が私に恋しているとは…思えない。」

【彼があなたに恋していたら、文句はないのですか?】

「いや、私も恋をしていない。彼に。」

【正解です。】

「はい?」

何のだよ。

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