Match maker
第13話

手から伝わる

彼女が“いいもんです”そう言った

指を絡めて繋ぐ、その行為に…

“好きな人”に触れるという行為がこんなにも“いいもの”だと知らなかった。

押さえられないほどに気持ちが溢れる。

溢れるほどの気持ちが、彼女に伝わればいいのに。

そして、それが彼女の気持ちとして…彼女の中に留まればいいのに。

手を繋ぐことが、唇が触れるだけのキスが

こんなにも胸を震わせる。

こんなにも“いいもの”だと、今日まで…

知らなかった。

振り返る彼女にもう一度キスをし、動き出したロードバイクに

顔が緩む。

風を受けた彼女の、髪が…俺の方へとなびいていた。

いつも、一人で見る景色と、今日二人でみるこの景色が到底同じものだと思えないほどに…

彼女は俺の世界を変えてくれた。

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