Match maker
…俺と。

さっき、だから、彼女は振り向いた。

俺にキス…して欲しくて。

少なからず

好き。

俺…を…?

この認識で良いのだろうか。そう思うと…

もう、これ以上は漕げなかった。

足を着いてロードバイクを止める。

彼女がそれに振り向いく。

風に舞う髪が、甘い香りを放つ。

「ごめん、我慢出来ない。」

“俺に少なからず好意がある”それが分かると、自制心など、どこかへ吹き飛んでしまった。

雅実の頭に触れて俺の方へ引き寄せた。

川辺のキスよりも深く。

離した唇に、もう一度、軽いキスをした。

「これ以上は、同じ比重になってからに、する。」

期待…しても、いいのだろうか。

そう言った俺に頷く彼女に。

再び漕ぎ始めたロードバイクに

近いのに触れられない。

考えものだな、ロードバイク。

そう思った。

“少なからず”がいつか、無くなるように。

そう、望んだ。

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