Match maker
……【お前も聞いたらええ。彼女に。それは、興味があるというアピールにもなる。ただ、聞く質問は気を使え!】

……【…それは、視点がちゃう。知ろうとする。相手を。何に喜んで、何に怒って…何に…まぁ、そんなんの繰り返しやな。最終的に“彼女がお前と同じ気持ち”になるまで。や。】

SS0の言葉を思い出していた。

「彼女の事を知ろうとした。それに、彼女へのアピールにもなるかと。…なのに…物凄く辛くなったではないか。」

SS0に、そう恨み言を言った。

【あのなぁ、あほか。】

「俺があほなら…」

【ああ、賢い、賢い。おベンキョーにおいては。『聞く質問は気を使え!』ゆーたやろ?つまり、聞かんでいい事を勝手に聞いて、勝手に嫉妬してるんや、わざわざ。】

「嫉妬……?」

【厄介やなぁ、人間て。】

「随分と、苦しいものだな。」

【それも、人間の醍醐味やろ。(AI)にはない。今日、良いこともあったやろ?】

「ああ、そうだな。」

彼女の1つ1つの行動か、言葉が

俺を一喜一憂させる。

笑顔1つがこんなにも幸せな気持ちにさせる。

同時にその笑顔が俺だけに向けられたならと

独占的な欲に支配される。

人間とは…実に厄介なものだ。

自分の感情に、自分でコントロールが出来ない。

これすらも人間である醍醐味なのだろうか。

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