陽華の吸血鬼➁【一人称修正ver.】【完】


「馨さんはなあ、すっげえ苦労性な人だった」

「え……」

「お前によく似ている。あの三人のストッパーっていうのかな。テンションが暴走しやすい三人を、よくいさめていた」

樹の下に三人並んで腰を下ろして、私は兄弟の会話を聞いていた。

黎の話に、架くんは顔を引きつらせる。

「三人のノリは前の方が激しくてなあ。馨さんが止めないと、ずっと喋り続けているくらいだった」

「………今の俺だ……」

そうなんだ。

私は黙っていることにした。

黎は「よく似てるって言ったろ」と続けた。

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