エリート外科医といいなり婚前同居
頭の中にはいろいろな疑問が渦巻いていたけれど、私は大人しく彼に抱かれたままでいた。ようやく解放されたのは、彼の本来起きるべき時間が近づいた時。
「……さて。嫌だけど、そろそろ起きようか」
そんな言葉とともにふっと温もりが離れて、暁さんはぎしりと音を立ててベッドを降りた。
私は収まらないドキドキのせいですぐに起き上がれず、窓辺に歩いていく暁さんをぼんやり見つめる。
彼はカーテンを開けて、冬の朝の弱い日差しを浴びると「うーん」と言いながら目いっぱい伸びをした。そして、未だベッドに横たわったままの私を振り返り、ふっと笑う。
「ベッドに戻されて、眠くなっちゃった?」
「い、いえ……」
こっちは激しく動揺してるというのに、暁さんときたらまるで平然としている……。
彼にとって、女性の体で暖を取るのは当たり前なのだろうか。だとしたら、相当の女たらしじゃない? 一体何人の女性をこのベッドで……。
そんなことを思ってベッドを見つめていたら、ふと昨日の掃除中に見つけたもののことを思い出した。