君と再会できた奇跡
俺は廊下の壁際を見る。
やっぱり、いた。
「愛果」
泣いている愛果に近づく。
「えっ、下野さんと居たんじゃないの?」
「遊ぼうって少しは思ったけど、泣いてたから不安で帰ってきた」
嫉妬してて可愛いとも思ったけど。
「光っ…ごめん。嫉妬してたの」
「嫉妬してる、可愛い」
俺は思わず思っている事を言ってしまった。
「…っ。下野さん、好き…?」
「好きになるわけないだろ?」
「ほんとっ?」
そんな嘘、つくわけねーよ。
「ほんと。鈍感すぎ」
「どんかん?丼缶?どんぶりの缶詰?」
「は…?」
ほんと鈍感…。
「鈍感てのはね、感覚が鈍いってこと」
愛果はキョトンとしている。
「あ、そういうこと?」
やっと理解したか。
「天然に近い奴か」
待って…?鈍感知らないのに天然知ってんの?
意味不なんだけど。
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