大嫌い、だから恋人になる
それから毎日、白崎君から電話がかかってくるようになった。

電話の向こうの白崎君はとても優しくて面白かった。それに私のこと、唯一私のことを認めてくれた。

「ちひろちゃんにはちひろちゃんの良い所があるよ。学校や親なんて気にする必要ないよ」

「そうかな。でもみんな私にもっと頑張れって。勉強しろって」

「そんなこと言う奴の話なんて聞く必要ないよ。ちひろちゃんはちひろちゃんで素敵なんだから。友達だってそうだよ。本当のちひろちゃんを理解してない奴なんてこっちから無視してやれば良い」

「そうなのかな?」

「そうだよ。学校や親なんてうるさいだけだろ?俺は本当のちひろちゃんを理解してる」

私はその言葉が嬉しかった。やっと私のこと理解してくれる人が現れたと思った。
< 129 / 319 >

この作品をシェア

pagetop