大嫌い、だから恋人になる
「なっちゃん、あんなにたくさん友達居るのに」

「そうだけど、本当に親友って言えるのはちーちゃんと凜ちゃんだけだよ。三人で居る時が一番楽しい。私ね、昔から友達多かったけど、ずっと親友が欲しかった。でも親友って良くわからなくて。でもちーちゃんや凜ちゃんと仲良くなって、初めて親友って何かわかったの。だから私も三人で居たい。」

「そんな風に思ってくれてたなんて知らなかった」

と私は言った。

「それにちーちゃんが私たち三人を結び付けてくれたんだよ。私、最初凜ちゃんのこと勉強ばっかで苦手だと思ってた」

「私はなっちゃんみたいに誰にでもニコニコしてる子好きじゃなかった。でもちひろが私たちの間に入ってくれて、三人になった。ちひろが居なきゃバラバラだったんだよ」

「今だってそうだよ。ちーちゃん。ちーちゃんが居ないなんて考えたく無い。また前みたいに戻りたい。凜ちゃんもでしょ?」

「うん。ちひろはどう?」

「私も前みたいに戻りたい。三人が良い。ゴメンね。私のワガママで。私が悪いのに」

その後、私たちはみんなでわんわん泣いた。全然悪くない凜ちゃんやなっちゃんも泣いた。いっぱい泣いた後、私たちは仲直りした。

白崎君のことは言わなかった。これ以上、二人に心配かけたく無かったから。

白崎君のこと乗り越えるには時間が掛かった。でも三人でいつも居たら、とっても楽しくて、だんだん白崎君から受けた傷も消えていった。二人のお陰で、私は立ち直れた。

今の私があるのは本当に二人のお陰だった。
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