大嫌い、だから恋人になる

「最後って、本当に大丈夫か？」

「私は大丈夫。だからお願い。もうこれ以上、色々言って困らせたりはしないから」

私が秋山君を困らせるのは、これで最後。私さえ秋山君から離れれば、白崎君だって何も出来ない。これで良い。私さえ我慢すれば、私さえ。

秋山君はモテるし、きっと私と別れても、直ぐ新しい恋人が出来る。春香さんの所に戻るかもしれない。

で私のことなんてキレイさっぱり忘れる。でもそれで秋山君に迷惑かからないなら、幸せになれるならそれで良い。

私みたいな特別でも何でも無い女の子が、秋山君にしてあげられることなんて、これ位しか思い浮かばない。だから私は秋山君と別れる。大好きだから別れる。