大嫌い、だから恋人になる
二人は逢ってのお楽しみだからって、名前も教えてくれない。

まあ別に良いけど。

秋山君とのことがあったから、クラスの男子じゃないと思う。

という事は中学校の時か。

中学校の時から、私のことを好きだったのかな、それだったら卒業式の時でも、告白してくれれば良かったのに。そうすれば秋山君とニセモノ彼女なんてしなくて済んだのに。

「じゃあ、話は決まりだね」

「ちーちゃん、着替えて」

二人は半ば強引に私を立たせると、クローゼットを開けて、勝手に服を選び始める。

「もうちょっと、可愛い服買った方が良いよ」

凜ちゃんが言えば、なっちゃんも

「今度、一緒に服、買いに行こう。美味しいクレープ屋さんが近くにあるんだよ」

二人が私の為を思ってしてくれてることだと思うから、文句は言わないけど、やっぱり今は男の子に会いたいとは思えない。でも二人はもう勝手に約束しちゃったみたいだし。
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