大嫌い、だから恋人になる
二人が私を着飾ってくれたおかげで、私は見違える程にキレイ・・・ってわけにはやっぱり行かない。寝不足で引きこもってる生活してたからか、顔もむくんでる。元々、メイクで変身出来る程のメイク技術は私達三人には無い。

まあ、良いか。別に秋山君に逢うわけじゃないし。二人は私に付き合って欲しいみたいだけど、やっぱり断ろう。

でも本当に誰なのか見当も付かない。

もてる女の子なら、こういう時、ぱっと三四人の男の子の顔が思い浮かぶんだろうな。

けど断る前提で会いに行くのは気が重い。

別に私が悪いわけじゃないけど。

「やっぱり、二人から断ってよ。それがダメなら名前を教えて」

「どっちもダメ。相手はちひろに本気なんだから、ちひろも自分で断って」

「本気って言われても、全然、思い浮かばないし・・・困ったな。まあ、良いか。二人も一緒に来てくれるなら」

「私達は行かないよ。ちーちゃん」

「ウソ。だって、それじゃあ、私は誰かもわからない人と、待ち合わせするの?待ち合わせ場所だって知らないのに」

「それは大丈夫、時間と場所は教えるから」
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