大嫌い、だから恋人になる
「やっぱり行かなくちゃダメ?それにその人、私と秋山君のこと知ってるの?知ってて私と会いたいの?」

「大丈夫。秋山君のことは知ってる。ちひろがまだ秋山君のこと好きなのも」

「それで私のこと好きなの?」

「秋山君のこと、ちーちゃんから忘れさせてくれるかもよ」

「そんな人に直ぐ忘れさせられる位なら、空港まで追いかけて無いよ」

「そのままオーストラリアまで行く勢いだったよ、ちひろ」

「パスポート持ってたら行ってたかも」

「本気?」

「わかんない。でもスマホも変えちゃって、連絡先も知らないし。春香さんなら知ってるかもしれないけど」

「あの人、秋山君と結局、また付き合うの?ちひろ」

「多分、そうなると思う。性格、最悪だけど、やっぱりキレイだし、秋山君だって押し切られちゃうよ」

「そっか。でも大丈夫、今から会いに行く男の子は、ちひろのこと秋山君と違って、大切にしてくれるし、心変わりもしないから」

「それは嬉しいけど。私、その男の子のこと、好きにならないと思うよ。凜ちゃん達がどうしてもっていうから会うだけ会うけど」
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