大嫌い、だから恋人になる
やっと全校集会が終わって下校時間。

いつもだったら秋山君と図書室で逢うんだけど、今の私は絶対に無理。普通でいられない。だから用事があるって断った。大好きなのに、それを少しも悟られちゃいけないって本当に辛い。

「今日は秋山君と逢わないの?私たちと帰って良いの?」

「うん。それでその話があるんだけど」

「美味しいパン見付けたの?」

となっちゃんが言った。

「ううん。でも似たようなものかも、あのね、驚かないで聞いて欲しいの、私ね、秋山君のこと好きになったみたい」

私は二人が凄く驚くと思った。だってあんなに秋山君のこと嫌いって言ってたのに。

だけど二人の反応は違ってた。

「知ってたよ。ちひろ、あんなにわかりやすいんだもん」

ウソ、でも凜ちゃんは鋭いから。

「私も知ってたよ。ちーちゃん。バレバレだもん。前も言ったじゃん」

こんなはずじゃないのに。これじゃあ、どうしたって隠しようが無い。
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