大嫌い、だから恋人になる

結局、ツンデレ作戦は止めることになった。

そんなに悪くないと思うんだけどな。

「うーん、もしかしたら普通が良いかも」

凜ちゃんが言った。

「でもそれじゃあ、私気持ち隠せないから」

「無理に隠すこと無いんじゃない？だって秋山君、無理に隠そうとしたちひろを心配してくれたんでしょ？だから普通のちひろのこと、別に嫌ってないんじゃないの。好きかどうかはわからないけど、デートに誘うくらいだから悪くは思って無いと思うよ」

「そうかな？」

「うん。少しは自信持って良いと思う」

凜ちゃんが言った。

「ちーちゃんはさ、何も考えない方が良いよ。考えたってお弁当みたいなことになるから」

「そうだね、なっちゃんの言う通り。どうせ駆け引きなんて出来る経験無いんだから」