暗鬱な君に花束を



不意に、眺に呼ばれて。


反射的に彼の方を向けば、口に何かが入る。


「限定ライチ味のグミも持ってきてたんだけど、うまい?」


「おいひい…」


どうやら眺は、私の口の中にまだ持っていたグミを入れたようで。


モゴモゴと口を動かす私を見てなのか、満足そうに微笑んだ。


「あげる。俺、もう一つは食べたし。さっきのおわび」


「別に気にしなくていいのに」


さっき、“もうしないなら許す”って言ったのに。


「俺が気になる」


「そう?でも、私ばっかりもらってる気がするからなあ………あ、」


「?」


あることを思いついて、私はリュックの中を探る。


…あ、あった。


手探りで探し当てた“ソレ”を取り出し、眺に渡す。


< 62 / 68 >

この作品をシェア

pagetop