暗鬱な君に花束を



「え…、美羽、これって…」


何か言いたげにしている眺に、静かに頷く。


「て、手作り、なの…」


そう。私が眺に渡したのは、手作りのマフィンで。


本当は最初から渡そうと思って持ってきたけど、“おかしな形じゃないかな”とか、“味見はちゃんとしたけど、口に合わなかったらどうしよう”とか。


そんな不安に押し潰されそうで、なかなか出せずにいて。


そのうちに、すっかり忘れてたんだ。


「…俺にくれるの?」


そう聞かれ、素直に頷く。


けれど自信がなくて、つい、うつむいてしまう。


「あ、味見はちゃんとして、大丈夫……のはず、なんだけど…ごめんね、やっぱり…」


「いや、すっごい嬉しい」


「やっぱりいらないよね」と言おうとしたところで、眺のそんな声が聞こえて。


バッと顔を上げれば、なぜか顔に手を当てている眺がいた。


「…本当にくれるの?」


「口に合わない、かもしれないけど…」


「返せって言われても返さないよ?」


「う、うん?」


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