暗鬱な君に花束を
何度も確認するように言われ、逆に私が混乱してきた。危ない危ない、気を確かに、自分。
「………」
あれだけ確認してきたのに、眺はジーッとマフィンを見つめたまま、なかなか口に入れてくれない。
やっぱり、手作りとか重いのかな…!?
ひとり不安になっていると、眺はおもむろにスマホを取り出し、少しの間操作をした。
カシャッ
「!?」
「…あれ、美羽まさか、スマホ知らないとかじゃないよね……?」
「さすがに知ってるもん…、それに、持ってるし、ほら」
リュックから、お気に入りの猫のケースがついたスマホを取り出し、眺に見せた。
「え?前に聞いたときはなかったよね…?」
たしかに、眺たちに連絡先を聞かれたときは、スマホを持ってなくて。
あのときは家の人ぐらいしか連絡相手がいなかったし、マンションの固定電話で連絡できてたから、スマホは別に必要なかったし。
だけど、週一回はする約束になってる電話で、“友達ができた”と話したところ、しばらくして入学祝いとして送られてきたのだった。