Sucre' amour
フランシスが後ろで何かを言った。夢芽はくるりと振り返る。頰を赤くしたフランシスがいた。

「フランシスさん、どうしましたか?」

「いえ!何でもありません!」

首を傾げる夢芽に、フランシスは慌てて言う。こうして、デートが始まった。

最初に二人が向かったのは、世界最大級の美術館であり、かつ世界最大級の史跡の一つであるルーブル美術館だ。

「ここって、モナリザやミロのヴィーナスが展示されているんですよね?」

夢芽が訊ねると、「そうです!美術館はとても広いので、はぐれないでくださいね」とフランシスは笑う。確かに、ルーブル美術館の面積は六万mと驚愕の広さだ。

「はぐれませんよ!絶対」

夢芽はそう言い、フランシスの説明を受けながら美術館の作品を見て回る。美術品のような美しさの男性のそばを離れられるわけがない。

夢芽はそう思いながら、今まで写真でしか見たことなかったモナリザなどをこの目で見ることができた。
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