モンスターハンタールチフェル
 ルチナは立ち上がってそう言うと、すぐさまアレックたちを立たせてアシュリーに向き直った。

「ありがとうございます! それじゃあ、私に付いて来てください。山の入り口まで案内します」

 アシュリーは先頭きってこの村の竜車乗り場へと案内をする。

 それに続いてアレックたちも歩を合わせて付いていく。

「アレックどう思う?」

 一行が村から少し離れた竜車乗り場へと向かっている途中に、ふとルチナがアレックに小声で話しかけてきた。

「どう思うって何が?」

「アシュリーよ、何か怪しくない? さっきの話し方にあの泣き方がどうも芝居っぽく見えるのよ」

 ルチナは突然、アシュリーが悪者のような言い方をしてきた。

「お前なぁ、あれの何処が芝居だって言うんだよ。あんなに必死になってるんだぞ? 俺が見る限りあれは芝居には見えないね、もし芝居だとしたらアシュリーって人は大した芸人だよ」

 アシュリーのあの必死になってお願いをしている姿、仲間のために流した涙が芝居でできるようなものなのか、いや、そう簡単にできるようなものじゃないだろう。
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