モンスターハンタールチフェル
 アンはそんな事を笑顔でアシュリーに返した。

「んふふ、そうですね。あの二人はどこかライナスたちに似ています」

 のんきな会話を交わしながら一行はアシュリーを残してキャンプを出発し、近くを川が流れる見晴らしのよい草地を歩いていた。

 ルチナが先頭きって歩き、最後尾にアレックが付いて来て、真ん中に挟まれた状態でアンとレインが並んで歩いていた。

 そして一行は洞窟の入り口に着いた。その中からは凍える風が吹いて来て、四人の体を撫でて通り過ぎていった。

「うぅっ、寒い…」

 アレックたちはそれぞれポーチの中をまさぐり、何やら赤い液体が入ったビンを取り出した。

 そう、街を出る前にシックルが用意してくれたホットドリンクだった。

 それからみんな、ビンの蓋を開けて一気にそれを飲み干した。

 すると、体の中から急にポカポカしてきて寒気が全く感じなくなったのだ。

「これなら少しの間は登山ができるわね」
< 258 / 645 >

この作品をシェア

pagetop