モンスターハンタールチフェル
 ガチャンと音が鳴ると、レインはボウガンの銃口をティガレックスの背中へと狙いを定めてトリガーを握る。そして、

 バシュッ!!

 ロングバレルを装備したデザートテンペストは、その銃口からレインが思い描いた軌道どおりに飛んでいき、見事ティガレックスの背骨へと突き刺さってペイントの実独特の強烈な臭いが当たり一面に広がっていく。

 ティガレックスはその異常に気付いたようで、首をもたげて自分の体越しにアレックたちを捕らえると、こちらに体を向けるて腕を地面に突き立てて咆哮した。

「ガァアアアアア!!」

 アレックたちはまたしてもこの叫び声に反射的に手を耳に持ってくる。

 これだけはどうしても我慢できるものではない。

 人間の本能と言うべきものなのだろう。

 ハンターをしている限り恐怖はつきものなのだ。

 これぞ、戦いを通して学ぶことができる”命”の有限さなのだろう。

「来るぞ!!」

 思ったとおり、ティガレックスはまたしても鋭い爪を地面に突き立てて猛スピードで突進してきた。
< 280 / 645 >

この作品をシェア

pagetop