モンスターハンタールチフェル
「くっくっく、これで黒龍は私のものだあ!!」

 血を飲み込んだ黒龍は、突如うなり声を上げて身をよじらせて暴れていたが、すぐに止んで、また頭を高台の上のギザレフに向け、金色の瞳が睨む。

「グルルルルル……」

「行け! にっくきギルドを叩き潰してこい!!」

「ガァアアア!!!」

 黒龍は一声吼えると、両翼を広げて空高く舞い上がるなり、海の方へと飛んでいった。



「はぁ、はぁ、はぁ……」

 そんな、黒龍が、復活した!?

 ルチナはようやく激しい頭痛から解放され、クラクラしながら立ち上がるも、霞む視線の先にギザレフを睨みつける。

 右手からはまだポタポタと血が流れ出していて、地面を赤く染めていた。

「さぁて、私も失礼するよカイン。これから最高の舞台を見に行かなければならないのでね。滅龍士の後始末は君たちに任せる」
< 516 / 645 >

この作品をシェア

pagetop