強すぎる彼女と優しすぎる彼
やっと見つけた救急病院にタクシーで向かう途中も佳子がぐったりとして元気がない。
龍仁も心配で頻繁に佳子に声をかけ、意識があるかを確認していた。

「環境の変化によるストレスかもしれないですね。特にアレルギーはないようですし、血液検査の結果も多少の貧血はありますが問題ない程度です。抗生物質を飲んでしばらく安静にしてください。生ものや高カロリーのものに反応することもありますから2、3日は消化のいいものを食べてくくださいね。」
医師からの言葉に龍仁は罪悪感を覚える。

佳子が思っている以上にストレスや疲れを感じていたのだとその時までしっかり配慮できていなかったと反省した。

点滴をしてから二人はタクシーにのり家に帰宅した。

「車の納車もあさってだから、それまではタクシーで我慢だな。ごめんな。」
龍仁が佳子を支えながら家の買ったばかりのソファに座らせる。
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