暴走族の総長様は、私を溺愛してるらしい。
「うーわ…」
「……」

男子に囲まれ、その男子をかたっぱしから殴り、蹴り倒していく2人。
さすが桜夜の幹部ってだけあります。
しかもなんか、楽しそうですね?

「菜乃の教室ってどこ?」
「えっと、2-Bです」
「あ、ここか。ちょっとおじゃまするよ」
「別に構いませんけど…」

カラカラとドアを開け、私を抱えたまま入っていく。
え、いやいやいや。

「下ろしてください」
「やーだ」
「しかも何で私の教室なんですか」
「クラスの奴ら知っておこうと思って」
「はい?」

知ってどうだというんですか。
そしてそのまま教室を回っていく。

…私を抱えたままで。
< 69 / 90 >

この作品をシェア

pagetop