小指

帰り道

この空気
すっごく気まづいでしょう

ファーストフードで
食べ終わった私たちは
それぞれの帰り道に分かれる

もちろん
私と智くんは
地元が一緒だから

帰りは一緒だ

駅まで10分間
無言が続く

電車に乗り
隣同士に座っても
会話はなく…

私は中3の夏には
恋の終わりを感じていた

とくに共通点もなく
盛り上がる話題もない

きっと
付き合い方が
あんなんんだったから

仕方なく…って思ってたけど

智くんは違ってたんだね

無口なだけ
誠実で責任感がある

…でも中3の冬から
話す機会が減り
高校になってから
挨拶すらなくなったのなら

別れ話をしようとか
思わなかったのかな?

「春香ちゃんは
自然消滅してたと思ってた?」

智くんが先に口を開いた

中学のときの名前の呼び方に
ちょっとドキリとした

「会話がないのに
付き合っているとは思えなくない?

デートに
行くってこともなかったし

君塚くんこそ
なんで
別れ話をしようとか
思わなかったの?」

電車が駅で止まり
ドアが開く

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