Fall -誘拐-


『お昼に食べようと思いましたが、
もう食べますか?』


「あぁっと悪いヒデさん。

俺今からちょっと出掛けてくるので、
食べるのはその後でもいいですか?」


『・・?どちらへ?』


「ちょっと裁判を傍聴しに。」


『裁判・・・あ、もしかして西平ヤスシですか?』


「今日は最高裁の判決が出る日なので。」


『確か・・神野くんが1課に配属されて初めて逮捕した人物でしたよね。』


「さすが・・俺の事何でも調べただけあるな・・。」


『事件自体もよく覚えています。

彼が犯した連続拷問殺人はかなりの衝撃がありましたから。』


「今のところ・・俺が逮捕した中であいつが一番のシリアルキラーですよ。」


『一審、二審は死刑判決。

間違いなく最高裁の判決も変わらないでしょうね。』


「どうせ暇だし、
西平の最期でも見届けてやりますよ。」


『暇にさせているのは上司として責任を感じますが・・分かりました。

では先にサンマ以外の下準備でもしておきます。』


「じゃあ行ってきます。」

















 


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