幼馴染との正しい距離感
少し気恥ずかしそうに
お誘いの言葉を口にする早川君。


かくいう私は
その言葉にきょとんと目を瞬かせていた。



……早川君がそんな事言ってくるの、珍しい。



いつも図書委員の皆で遊びに誘っても
自分はいいって断るのに。


雑用中の突然な質問といい、今のこの
どこか慌てたような焦ったような態度といい


今日は珍しいことだらけ。



「…早川君、何か悩みあるの?」



あまりにいつもと違う早川君に
心配の気持ちが湧いてきて
思わず真面目に聞き返してしまう。



「え?」

「なんか、顔も赤いし
いつもよりそわそわしてるし」

「……っ!」



指摘すると早川君は
顔から火が出るのかってくらい
さらに真っ赤になった。



「だ、大丈夫?」

「……大丈夫です」



とても大丈夫そうには見えないけど…



…
……
…………あれ?



早川君のこういう姿、誰かに似てる。


見覚えがある。



「…」



見覚えがあるというか…



……私だ。私に、似てるんだ。



身に覚えがある。



こーくんを前にしたときの私と
ミキちゃんに色々指摘されたときの私と瓜二つ。



「…」



…もしかして


…………早川君、私のこと…



頭をよぎった考えに首を横に振る。



……ううん、そんなはずない。



自意識過剰だ。


たまたま似てるだけ。そう思っただけ。
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