midday crow
切なそうな目をしている。

もちろん焔のことだ。

太陽が鋭意作詞中なのは見てとれたし、そうさせたのが紅羽だということも、言わずもがな。

多少面白くない気持ちと、自分への不甲斐なさが彼の内で混ざり合っているのだろう。

励ますようなことはされたくないだろうから、彩人は作り笑顔で焔から離れた。

「はい、スマホ」

「あーざーすー」

太陽は一心不乱にペンを動かしていて、差し出されたスマホは見ずに受け取る。

舌打ちしそうな顔を紅羽がした。
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