midday crow
「もう一度」

わかりにくくハイテンションの紅羽は意味もなく、曲中の旋律をキーボードで弾く。

「もう一度、やろう」

「……おお!」

合わせるようにギターをかき鳴らす。

わけもなく笑みが零れる。

ダダダッと入ってきたのはドラム、彩人もいつもより動きが大きい。

最後に焔がベースを震わせた。

冷静な彼にしては珍しく、軽さのある弾き方だ。

それがいい。

しがらみも重りも、なにもない。

烏はどこまででも翔んでいく。
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