midday crow
紅羽の機嫌の悪さは直ってきたようである。

太陽のほうはそうでもない。

もやもやを抱えたまま作曲するのは嫌だ。

紅羽にも光輝にも不誠実だし、そんな気持ちで作った曲を歌いたくない。

なので、紅羽に直接訊いてみることにする。

「紅羽、なんとも思わんの?」

「? なにに?」

「俺が光輝のために曲作っても、どうでもいいの?」

「どうでも?」

なにを言っているんだ、とでも言いたそうな顔を彼女はする。

「その人が喜ぶんじゃない? いいことだと思うけど」

「……あっそ」
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